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お月さま(満ちる月)

人は古来より空を見上げてきた。

電気などの文明のない時代には、太陽と月、そして星の瞬きこそが全てだった。

 

人はただ生かされているだけ。

大きな存在に抱かれて、ただ、ここにいさせていただいているだけ。

 

太陽が昇る。

今日も朝日が昇ったことに感謝をする。

身体いっぱいに太陽の光を浴びる。

家から出て、大きく伸びをする。

 

時計もなく、太陽の傾きで何をすべきかを知った。

陽が落ちる頃、空の色が青色に変化していく。

風が、そよぎ始める。

 

今日の仕事は終わり、家路に急ぐ。

収穫した農作物や畜産物を、家族そろって食べる。

スマホをチェックする子供もいなければ、戦争のニュースもない。

ただ、食事をするための、時間。

 

空気がひんやりと冷気を帯びてくる。

草の葉には、露が降り始める。

しんと静まり返る。

 

窓から見える空にはまん丸の月。

大きく、金色に、光り輝いている。

 

今夜は月が落ちてくるから、外に出てはいけませんよ。

 

朝の太陽とは違ったその白く冷たい光に身を晒す。

一日の疲れを洗い流すように。

 

冬眠の熊みたいに丸まって、眠りにつく。

また明日、今日と同じくらい幸せな日が来ますように。

 

 

カウンセリングルーム  アトリエ・IMA(イマ)

Shigechika Suzuki

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